<The White Label の生んだ、豊富なバリエーション 2>

最初のご紹介:Human Gear MOD(検体 № 93/43XX)

正式名称は、“ Pignose Crossroad MOD ”。

ヴィンテージサウンドを手掛ける老舗ブランド “Human

Gear” が、Pignose 7-100R にカスタマイズを施したモデファイ版製品を、1993年12月に発売しました。

(Guitar Magazine誌には 1994年 1月号からADを掲載)

これはその時の一台で、オリジナル 7-100 のサウンドの再現を意識したモデファイが施されています。

外観上の特徴は、ピンクに塗られた鼻の穴より背面に設けられたチキンヘッドのコントロール・ノブでしょう。

外観だけでは分からない、このモデファイ版の仕様について触れてみましょう。

チキンヘッドのコントロール・ノブの働きは、Pignoseには元来装備されていない、トーンコントロールです。

 ※もちろんハイカット方式のパッシブトーン。

このコントロール・ノブはプッシュスイッチも兼ねており、スイッチを ON にすることで、パワーがもう一段乗った感じにアップする、ブーストスイッチとなっています。

つまりブーストで太くした音にトーンコントロールで味付けする方法で、オリジナル 7-100 のサウンドに接近させることを狙ったモデファイと言えるでしょう。

それ以外には、キャビネットの密閉性と共振防止を図ったゴム製シール材と、底面へのゴム足追加が確認できます。

上記で触れた、GM誌掲載時のADです。

映画 “Crossroads” の公開時期から 7年後の何故この時期にとも思われますが、 Pignose 7-100R にとって、最初に再評価された機会が、この映画だったのではないでしょうか?

 ※映画で使われたのは、オリジナル 7-100

 

価格も 33,000円となかなかのもので唸ってしまいますが、Pignose 7-100R 自体の、当時の国内定価が 19,800円だった事情を鑑みると今日の相場より 5,000円程度は高めだった可能性があります。諸物価も上がりましたが…

ADでは撮影効果のためか、Human Gear社のステッカーが筐体トップに貼られています。

いったい何台程度が世の中に出回ったのか、つまらんことが気になったりします(笑)。