一流ドラムブランドが送り出した、驚異のギタースタンド!

TAMA FLEXIBLE GUITAR STAND #839

私の所有する数本のギタースタンドのうち1本だけ、やたらとヘビーデューティーなやからがありまして、それがコイツです。

 

日本が世界に誇るドラムブランドのTAMAが、1982年頃に発売していた #839 という型番のギタースタンドで、いわゆるその手のスタンドで培ったノウハウを存分に注ぎ込んだ、頑丈この上ない逸品です。

値段もなかなかのもので、バーゲン品なら1,000円前後で買えるものもあるという中で、なんと定価で 6,000円もしたのですから、本当に恐れ入りました。

おかげで購入から30年以上が経ちましたが、メッキやネジの劣化こそ生じたもののガタひとつなく今日に至っております。

これぞ誇るべき Made In Japan!


どーです、上の写真でも表記しましたが、ジョイント部をはじめとする全体の頑強な作りが伝わりましたでしょうか?

曲げてあるだけとか、挿し込んであるだけといった作りの廉価版のギタースタンドから見れば、過剰品質と言われても仕方ないくらい、これでもかと言わんばかりの部品やネジの構成数に圧倒されてしまいます。

 

写真ではネック受けをエレキギターの高さに合わせていますが、実はこの部分もやたらと高く伸ばせます。おそらくベースでの使用をも考慮したものでしょうか?

 

これだけの仕様で 6,000円は、高くないのかもしれませんが、学生だった私には1本買うのが精一杯。まぁこれも記念品です。

※これを書いた後で、#839が今日も現行製品であることを知りました(汗)。

 お値段もご立派になられて 9,720円(希望小売価格)ですか… ロングセラーに拍手!

ドイツの老舗計量器ブランドが復刻したレトロ感あふれる秤

SOEHNLE TYPE 1290

直接楽器には関わりないのですが、荷物や楽器の計量に活躍する、愛用の “秤(はかり)” をご紹介します。

元々はキッチンスケールとして売られていたものですが、文字盤むき出しのレトロな風貌と 10kgまで計れるレンジ?の広さにやられまして、購入と相成ったわけです。

箱書きを読んでみますと、往年のデザインをトゥルーレプリカしたとあるので、きっと元になったモデルがあるのでしょうね。

 

SOEHNLE(ツェーンレ)社は 1868年創業のヨーロッパ最大の計量器メーカーだそうですが、ちょうど明治維新の年ですね。

主力製品は、もちろん最新のお洒落なデジタルヘルスメーターやキッチンスケールだったりと、この秤の方が異端な存在です。

①同社の旧ロゴ体が配された歴史的な文字盤。KILO(キログラム)とLB(ポンド)が併記

 されているところや単位がクオーター(250g刻み)であるところなど、いかにもヨーロ

 ッパ向け製品の雰囲気(実際そうなのですが)を醸し出しています。

②メーカーはドイツですが、生産国は Maid in Lithuania とあります。リトアニアで作ら

 れた製品を入手したのは初めてですが、金属板の加工や接合も丁寧で好感が持てます。

③本体には味気ないほど何の表記もされていないのですが、唯一型番を示すこの小さなス

 テッカーが裏側の脚の陰にひっそりと貼られていました。

④いわゆる箱書きの一部で、復刻版のことや職人技で作られたことが謳われています。

丸くて大きなチョコレートの缶はバルク絃の寝床にぴったり

Special Thanks Ackie!


私の使用するギター絃は著名ブランドの E社と D社製が多いのですが、それ以外にも巻かずにストレートのままパッケージされているノーブランドのバルク絃を愛用しています。

一般的なギター絃はきつく巻かれて出荷・保管されているのに対し、ストレートのバルク絃は巻き癖が全くないので使い易いうえ、ピュアでクセのない鳴りを楽しめます。

価格もまとめ買いするととても安価なので良いところずくめですが、問題点もあります。

1.ひとパックに10本以上入っているので、開封後の保管(特に湿気)に気を遣う。

2.パックに入った絃をストレートの状態のまま保管するのはとてもたいへん。

そこに活躍するのは、チョコレートやクッキーで使われている大きくて丸い缶。

深さもそれなりにあって、開封済のパック入バルク絃を“ゆる~く”巻いて保管するのには最適です。真ん中の空いたところには、ストリングワインダーと乾燥剤が収まります。

こういうものは必要とされたときにすぐに手元に無いものでイラっときたりするものですが、幸いにも知人の提供ですぐに入手できたのは、とてもラッキーでした。

Ackie! その節はありがとう。今でもビシバシ使っていますよ~

初めて入手したノギスから東西ドイツの時代を振り返る

Off-Brand Vernier Callipers


確か中学生の頃だったと記憶していますが、ノギスを必要とする工作があって、どうしても欲しくて入手しました。たまたま覗いた隣市のホームセンターで売られていたもので、1,000円したかしなかったくらいのバーゲン品だったはずです。

価格はさておき「西ドイツ製だから高精度品にちがいない」という信仰のようなものがあって迷わず購入しましたが、期待を裏切らない確実な測定で長年活躍してくれました。

よく見るとブランドロゴをはじめ、精度を表す等級などの刻印も一切ありません。

ステンレス製らしいのですが経年でサビが出ていたりと、武骨でチープな外観も含めけっこう怪しいところ満載の製品ではありますが、何故か疑う気持ちになれないのは測定器としてはまともで、何不自由なく役割を全うしてくれた実績に尽きます。

おそらく現地の小中学生の教材向けに作られた製品が余剰になって、同じ規格(メトリック)だったのを幸いに、はるばる日本に横流しされたのではないかと、これは私の想像。

インチ等の目盛がなくシンプルに徹しているため、入門者には最適の仕様だと思います。

成人してからは日本が誇るミツトヨ製を買って引退させてしまいましたが、理由は大人になったら一流の工具を揃えたいという単なるエゴ。一般的な工作ならこれで十分です。

東西冷戦が終結して久しいですが、このノギスや BASF のカセットテープを見るたびに、西側と東側の社会情勢を真剣に考えて背伸びしている子供だった自分を思い出します。

余談ですが、英米では ヴァーニアキャリパー が正式名称。我々にはノギスという呼称で定着していますが、これは独語圏 ノニウス の訛りで本稿と何となくご縁を感じた次第。

応急修理に八面六臂の万能レンチは至高の百均工具だった

Emergency Bicycle Wrench

“○○徳ナイフ”というアウトドアの必需品がありますが、それに勝るとも劣らない凄い機能を持ったレンチがこいつです。

6mmから 1mmきざみに 15mmまで何と10段階のサイズを網羅しているので、合わないサイズ無し! の頼もしい助っ人。

※ 13mmは 1/2インチの代りにもなる!

弱点もあって、例えばストラトのジャックとか、エンクロージャ内のスピーカーとか奥まったところへの使用はできません。

でもそれを補って余りある万能性が、例えばエフェクターの外装などはこれ1個で十分。

百均工具の悲しさで仕上げの粗い箇所もありはしますが、まぁ大目に見ちゃいましょう。

でも本当の弱点は、素材が鉄製ではなく脆い亜鉛ダイキャストだってことでしょうかね?

正体を忘れてリキを入れ過ぎると「ポキッ」とくるから、見た目のヘヴィデューティーさに騙されてはいけませんぜ(笑)。→ 英文タイトルのとおり出自は自転車用の工具です。